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「は? あんたにあたしの何が解るわけ?
何にも知らないクセに偉そうに言わないでくれる?」
出逢った時の印象が良ければ良いほど、後で幻滅した時の好感度は下がるものだ。
最初にフーカを見た時に着けていた蝶の羽、あれはコウモリ型に変えた方が彼女に似合うんじゃないだろうかとスズは思い始めていた。
なぜだか険悪になった少年少女二人に対し、リンクは「にゃ、にゃんでケンカするにゃ?! ダメにゃ、ケンカは良くないにゃ!」と慌ててスズとフーカの顔を交互に見上げている。
ふん、とフーカは腕を組んで胸を逸らした。
「ケンカじゃないのよ、リンク。彼がどんな“マレビト”なのか、確かめてるだけ。シルフの一員にふさわしいかどうか、知りたいの」
そう言って、改めてスズを下から上まで見直した。
「そうね、決めた。テストしてあげる。合格したら、団員として認めてあげる。
あんたがどこまで一緒に旅しようと文句言わない。
だけどその代り、失敗したらお兄ちゃんと一緒にとっとと水の国に行きなさいよね!」
スズはこちらに来て、自分の新たな一面を発見していた。
それは意外と、負けず嫌いだということだった。
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