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そして地球人は、この星の使い道を考えた。
そこでたどり着いたのが、歴史のエラーに影響を与える人々の保護施設にすることだった。
地球人の人生に介入できないこの場所で、“地球に必要のなくなった人々”は生活している。
実は、僕もその一人だ。
そのことについては、今あまり関係のないことなので、省略することにしよう。
つまりこの星は、本来、僕たちの保護を目的に作られている。
そのため、労働も強制されてはいない。
どの人にもある程度潤沢な資金、衣食住に困らないだけの生活環境が与えられている。
ただし治安維持だけはこの星の住民で行わなければならない。
地球人の数ではここに集約される人々の生活をすべて監視するには人手が足りないからだ。
国や文化どころか時代も違う人々がこの星でより良く暮らすため、僕たちは地球とは違う形でこの星の国境を区分けした。
例えばここ。地球で言えば日本にあたるこの場所は、地球の歴史維持の中核都市になっている。
もともと、時空移動装置を開発したのは、日本人研究者だから、ここが一番わかりやすいという理由が大きい。
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