第1章 転生

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運良く孤児院の経営者に拾われた俺はなんとか生きながら得られたが、俺に与えられたのはレインという名前と、この力のみ。 力のあるものが全ての弱肉強食の世界、 俺は世界の頂点を目指し、そしてこのナイアルラトテップに敗れた。 細かい話はまだ色々あるのだがざっくり説明するとこんな感じだ。他はまたの機会にでも。け、決してめんどくさくなったわけじゃないぞ この世界での魔法は、属性が存在しない。 属性の相性による優劣はなく、術者は所有する魔力を駆使し『エフェクト』と呼ばれる能力を自ら作り出し、名前をつけるのだという。 術者の魔力の量にもよるが、大抵は1つか2つの能力を持っていて、能力をイメージし、魔力を練り上げることに重点が置かれ、術者の技量によって能力の強さも異なる。名前をつけるのは一度固めたイメージを固定する役割があるのだとか。 確かに名前があると必殺技みたいでかっこいいな。 これは俺の世界の魔法でも共通しており、如何にイメージを魔法で再現するかが重要視されていた。 例えば各属性にはランスと呼ばれる魔力を槍の形に維持し相手に目がけて飛ばす魔法があるが、術者によって形が様々で、杭や三つ叉の槍、回転するドリル状のものや命中するまで追尾するものなど、技量が高ければ高いほど形状を複雑にし、精度を上げることができる。 俺の場合は火属性と破壊属性を混ぜ合わせた混成魔法で、主に爆発を攻撃の手段としていた。 これは爆発自体は火属性の魔法のため、自分が2属性を持っているのを悟らせない為と、何より爆発が一番イメージしやすかったからだ。 この世界では魔法にかなり術者の性格が反映されそうだが、ナルが人間の個性に興味をもったからだろうか? そして唯一、魔力を持つ者が共通して使えるのが〈身体強化〉と〈転移〉の魔法。 術者の技量によって差はあるが、達人は身体強化によって肉体を鋼のように強化することができるらしい。 俺のいた世界には身体強化なんてものはなかったため、魔法使いは主に中~遠距離での戦闘が主だった。 障壁などで近距離からの物理攻撃を防御する手段はあったが、攻撃と防御でバランスよく魔力を維持するのはかなりの技術を必要とし、ゆえに力と手数でごり押しされると脆かった。 しかし身体強化で物理攻撃を防げるなら、苦手としていた接近戦にも十分対処できるため剣が廃れるのも当然の結末だろう。
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