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『掌を見てみろ。』
ナルに促され、掌を確認する。
そこには黒い薔薇のような形の模様が浮かび上がっていた。
「これは…?痣?」
『それはエフェクトの紋様だ。エフェクトを使える人間には身体のどこかに能力を表す紋様がある。お前の場合は掌、そして両肩、背中だ。
フラグメントローズ[掌の薔薇]は掌で触れた対象を爆破、破壊する。
爆発の規模は対象の大きさに比例する、もちろん規模と威力はコントロールできるがな。
そしてキリングフィールド[焦土領域]はお前の間合いに入った攻撃は全て爆破される。
ただし、お前が攻撃と認識したものと、間合いの外からの攻撃だけだ。間合いの中からの攻撃には発動できないから注意しろ。』
なるほど…紋様が魔力を持った人間の証ってことか。
『そしてもう1つ、前の2つは余興みたいなものでこれが本命。』
ナルがニヤリと笑う。
『名前はマスタークリエイター[箱庭の創造主]どんなエフェクトでも作り出すことができる。
ただし、イメージできる範囲内でだ。
作れるのは1度に1つ、作ったエフェクトを使用しないと新たなエフェクトは作れない。
そして他人のエフェクトを複製することはできない。細部を変えて、似たようなエフェクトとして新たに作ることができるがな。』
…なんか、とんでもない力が与えられたようだ。
『お前に与えたのはこの3つと無尽蔵の魔力。非常に強力だが勘違いするな、使いこなせるかはお前次第だ。
最初から使いこなせるだけの力を与えようと思ったが、不満そうだったんでな。鍛錬の余地を与えてやる。』
全部お見通しってわけか。まぁ、その方がやりがいもあるってもんだけど…
『まぁこんなところだ、あとは適当に頑張れ。なにかあったら呼べ、気が向いたら答えてやる。』
「お、おい!」
もう言うことはないと判断したのか、ナルはくるりと背を向けると、あっという間に消えてしまった。
なんか最初よりノリが軽いというか、くだけてるしほんとに神の意志なのかあいつは…
人間を学んだとか言ってたがこれもあいつが人間に寄せているからなんだろうか?
アザトースって世界の創造主のことも聞きたかったがそれはおいおい教えてもらうとしよう。
とりあえず…
「ここはどこなんだ…」
俺は森の中に1人ぽつんと残されていた。
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