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「ナル!ナイアルラトテップ!今すぐこい!なんだこれは??!」
『やかましい奴だな』
辺りを見回しながら大声で叫んでいるとすぐ後ろから声がして、振り返ると声の主が姿を現した。
消えた時と同様、いきなりその場に現れた。
「これは一体なんなんだ?なんで俺はガキの頃の姿になってる?!」
相変わらず女の姿のままで、ナルはやれやれそんなことかといったような顔で答えた。
『お前の魂を転生させる時、ボロボロだった身体も蘇生させて転生しようと思ったんだがな、なにぶん人間の身体を蘇生させたことなどなくてな、傷つく前に戻そうと思ったんだが加減を誤って10年ほど戻してしまった。』
俺はもはや怒りを通り越して呆れて何も言えなかった。
まさか自分が一番嫌いだった十代の容姿にもどるなんて…
俺の心情を知ってか知らずか、俺の様子を見たナルは少し申し訳なさそうに言葉を続けた。
『まぁ、人間の短い寿命を考えると10年は儲けものではないのか?それに…なんだ、お前、なかなか顔が整ってるし…』
顔赤くしてモジモジするんじゃねぇぇぇぇ!
ってかこいつもはやほとんど人間になってないか?ってか女か?女なのか?
表情もこころなしか最初より柔らかくなってる気がするし…
『人間とは何とも不可思議な生き物だな、女の心を完璧に複製したつもりだが…お前の顔を見てると胸が高鳴るというか、感情とは面白いな、本当に。』
なんかシラけた。
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