第2章 遭遇

4/14
前へ
/251ページ
次へ
他人から俺の顔を見たときに、恐らくまず目がいくのは俺の異常な目。 髪で目を隠すようになってからは、やれ綺麗な顔だの、女の子みたいだの、散々言われてきたのである程度自覚もするようになる。 特別整っているとは思わないし、どうせならもっといかつい顔が良かった。 髭を生やしていたのは剃るのが面倒だったのもあるが男らしく見せたかったのもある。 『とにかく老けたわけではないのだから前向きに捉えたらどうだ?それに、その顔なら女も放っておかないだろう』 確かに、女性に好意を寄せられることは少なくなかったと思う。 【英雄色を好む】と言うが、ただひたすら強さを求めていた俺にとって色恋沙汰は無用のものだった。 それに目のこともある。もし深い関係になれば隠し続けるのは難しいだろう。 俺が物思いにふけっていると、ナルは俺に背を向けた。 『せっかくの2度目の生、さらに強くなって生まれ変わったのだ。思うままに楽しむといい。 それと先ほどのお前の声を聞きつけて人間が1人近づいてきている。敵意はなさそうだが注意するに越したことはないだろう。』 精々楽しませてくれ、と最後に一言付け足すとナルはパッとその場から消えてしまった。 ってちょっと待て、どう対応すればいいんだ?!
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加