第2章 遭遇

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「俺はレイン、レインです。」 とりあえずこちらも名乗っておく。自己紹介してもらったのに申し訳ないが、こちらから開示できる情報は名前ぐらいしかない。 違う世界から来たなんて言ったところで信じてもらえないだろう。 「レインくん…か、姓は秘密かな?」 おっさん改め、グラン=アルフォードは少し困ったように笑った。 さて、どうすべきか… 「秘密というか…わからないんです。目が覚めたらここにいて、ここがどこかも。 自分の名前ぐらいしか…」 嘘は言ってない! 「わからない?何も覚えてないのかい?出身とか、どこに向かってたのかとか。」 覚えてないというかわからん。 「はい、何も覚えてません。なんでここにいるかもわかりません。」 「もしかして記憶喪失ってやつかな?実際にお目にかかったことはないが、何かの本で読んだことがある。自分の名前すら覚えていなかったり、ところどころ記憶が欠落していたり症状は様々らしいが、レインくんは名前以外覚えていないんだね?」
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