第3章 初めての…

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「あと1mだ。」 俺は傷男に向かってそう宣告する。半径2mは俺の絶対の間合い。 中に入って生きて出た奴はいない、神の意志であるナイアルラトテップ以外は。 俺の言葉に傷男は一瞬足を止めるが、大した事はできないと判断したのだろう。 俺よりも、剣を持っているグランを警戒しながらゆっくり近づいてくる。 あと50cm あと30cm グランが俺庇うように身を寄せながら、意を決したように剣を構える。 10cm 0 瞬間、俺は両脚に身体強化を施して傷男に向かって突進した。 俺にとって身体強化は初めての試みだが思った通り、脚に魔力を纏わせるイメージで魔力を通わせると、俺の両脚は生身の状態では考えられない瞬発力を生んだ。 やばっ、やりすぎた!
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