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「あと1mだ。」
俺は傷男に向かってそう宣告する。半径2mは俺の絶対の間合い。
中に入って生きて出た奴はいない、神の意志であるナイアルラトテップ以外は。
俺の言葉に傷男は一瞬足を止めるが、大した事はできないと判断したのだろう。
俺よりも、剣を持っているグランを警戒しながらゆっくり近づいてくる。
あと50cm
あと30cm
グランが俺庇うように身を寄せながら、意を決したように剣を構える。
10cm
0
瞬間、俺は両脚に身体強化を施して傷男に向かって突進した。
俺にとって身体強化は初めての試みだが思った通り、脚に魔力を纏わせるイメージで魔力を通わせると、俺の両脚は生身の状態では考えられない瞬発力を生んだ。
やばっ、やりすぎた!
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