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「戦地で、ラフティーナの魔女の一人が刺し違えるつもりで敵の大隊に特攻した。結果、敵大隊は壊滅。その力に恐れをなしたニヴルは慌てて休戦を提案してきたんだよ」
「そうだったのですか……」
この平穏をもたらした英雄。それがおとぎ話の中の登場人物と思っていた魔女によるものだったとは。
「残念ながら、激しい戦闘の最中、ケイト殿の父君も命を落とされた。だが、英雄となったその魔女は、奇跡的に一命を取り留めることができたんだ。話が長くなってしまったが、君に匿ってほしいという要人こそが、そのラフティーナの魔女。ヴァレリアだ」
「そのヴァレリア様は、父とも顔見知りだったのですか?」
「ああ。同じ部隊に所属していて、懇意にしていたそうだ。だから、これは父君の遺志でもあるというわけだ。異存はあるまいね?」
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