がれきの海の歌ひめ

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 ユウラが、コメントをしたアカウントを調べてみると、そこには、ひとりの少女の画像のアイコンを使い、アカウント名“がれきの海の歌ひめ”と名のるものがいたのだった。 その少女のアイコンは、赤い目と黒かみをしており、半世紀以上前の希望アルバムに写っている少女とまったくの同一人物だと思われる。 きっと昔の写真をとっておいたものだろう。 他でも持っているくらいだから、この人はそうとう昔の写真に思い入れがあるのだろうと、ぼくとユウラは話し合って、期待にむねをふくらませていた。 すぐさまユウラが、この希望アルバムをすぐにあなたのもとへとお送りします、と連絡を入れると、予想だにもしない言葉が返ってきたのだった。 “いいえ、こんなにも大切なものを見つけてくださったのですから、直接あなたにお会いし、お礼が言いたい。”
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