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Fの体調も回復して本来の目的は済んだのですか、折角外出したことだし、このまま○○岬まで行こうという話になりました。
○○岬は地元でもかなり有名な場所で、観光地としてもテレビなどで取り上げられる場所です。
天気は薄曇り、なんだかぱっとしないどんよりとした空でした。海のすぐ側ということもあって、少し冷たい風も吹いていました。
坂になっている遊歩道を下りて行くと、波打ち際には様々な形の岩があり、そこに着く頃Fは外出前の事が嘘のように元気になっていました。ところが、彼女が岩場のすぐ側まで来た時、
「F! すぐこっち戻れ!」
Fの数メートル後を歩いていた彼が、突然叫んだのです。
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