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そもそも怒ってなんかいないし、嫌いになるならとっくにコイツから離れてる
「……放課後まで寝かしてくれるなら、許してやる」
「本当?」
明らかに嬉しそうにするコイツの姿はまるで子犬みたいで……可愛いと思う
見える筈のない尻尾がブンブン振っているくらい、雅は分かりやすい
「本当。だからってエロい事は無しだけどな」
「分かった…メチャクチャにするのは帰ってからにするよ」
「~~~~~っあからさまに落ち込むな変態ジジィ!」
つい”メチャクチャにする“に反応してしまって赤くなる顔を誤魔化すように怒鳴りベッドに潜り込む
雅はいつも直球で思った事も直ぐに口にするような奴だが、実は優しかったりする
変態でドスケベで見境無い時もあるが、こう見えて実は優しかったり…するんだ
「じゃ、ゆっくり休んでね。担任には僕から伝えとくから」
「…ん」
「それから、ちょっと熱あるよね?帰りは僕の車で帰ろう」
「……ぅん」
「放課後、僕が来るまで居ていいよ」
ほら、やっぱり……コイツは優しい
ムズ痒くなるくらい、俺に優しい時があるから嫌でも伝わる
愛してくれてるんだって
でも時々、不安になる
俺は……俺はちゃんとコイツを愛しているのか
ちゃんと同じくらい愛を返せているのかが
同じくらい、不安になる
顔を出した俺に優しく、安心させるように髪を撫でて額に軽く甘いキスを落として愛おしそうに微笑む雅は机に置いている弁当箱を片付けに行った
(……いつか、捨てられる事になったら…俺はちゃんとそれを受け入れられるだろうか)
そんな事を密かに考えて、俺は熱のせいもあって眠りについた
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