第六話『慣れ』

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  面白くもないのに笑ったり、周りに合わせて自分を偽ったり、嫌われたくないからって中途半端な事をしたり、俺はそういうのが大嫌いで だから、つい口が滑ったんだと思う 『…偽っても誰もお前自身なんかみねぇよ。むしろ相手に悪いと思わないワケ?』 ましてや他人にそんな事を言った事は今までなかったし、嫌いな奴だと分かれば直ぐに無視してその場から離れるのが俺だった なのに何故か……ソイツの心が”本当の自分を見て欲しい“と聞こえた気がして”偽るのが辛い“とすら聞こえそうな気がして、見ていられなかったかも知れない 偽った仮面を被ったってソイツの本心では直ぐに分かった …俺も、雅に出逢うまでそうだったから でもまぁ、今は後悔しまくってるけど 「なぁー!オレの話聞いてるかぁ?」 「…ウザイ。消えろ馬鹿男」 「モォー、んな事言うたかて…ホンマは構ってほしぃくせにー」 図星を突かれたからもう話掛ける事はないだろうと思ったのに、このチャラ男は何故か俺に接触し続けている 俺が強く突き放せば良い話なんだが、何せコイツには弱みを握られているせいでそうもいかなかった 案の定、俺は数日前に突き放してやろうと試みようとした   
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