雨の電話ボックス

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ある雨の日、傘をさしてその電話ボックスの傍を通りかかった時でした。 不意に携帯電話に着信がありました。 鞄と傘で両手がふさがっていたので、面倒に感じながら鞄を脇に抱えて電話に出ました。 「はい、黒川です」 返事がないので、不思議に思い着信元を確認しました。 『公衆電話』 その文字に驚いて立ち止まると、前方に新たな気配が生まれました。 傘に遮られて顔は見えませんでしたが、長い髪と白い洋服を着た女でした。
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