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漂流1日目
この世に生を受け、流山タイキという名前を与えられてからの25年間、オレは平凡に生きてきた。
周りからは「タイキなのに大器じゃない」とからかわれたが、正にその通りだった。
偏差値50そこそこの高校を出て、大学は勉学よりもサークルや麻雀に明け暮れた。
就職先も滑り込みでようやく一社決まり、社会人三年目を迎えている。
今現在はというと、平凡な暮らしよりもいくらか低めの生活だろう。
それは勤め先が暗黒企業だからだ。
うちの会社は成果主義を謳っている。
だが肝心の評価システムが腐りきっている上に、成果主義特有のギスギス感だけがフルパワーで活躍しているという有り様だ。
本当に優秀で利益を生み出している人間は評価されず、世渡りの上手い人間が甘い汁を啜っていた。
「手柄は上司のお陰、失敗は部下の責任」というクソのような企業体質が環境悪化に拍車をかけている。
真面目で優秀な人間ほど早く退職し、自信の無いものやゴマスリ連中だけが残されていった。
それが作業の負担増につながり、結局離職者が増えるという悪循環。
半壊しかけたうちの部署は、断末魔の叫びをあげながら業務を遂行していた。
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