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言葉は通じないけど、久々に暖かい気持ちが胸に広がっていく。
陸に居た頃は業務的な会話ばかりで、冷え冷えとしたやり取りしか無かったもんなぁ。
案外、言葉なんてものは生きて行く上で不要なのかもしれないな。
すっかりお友達になれたルカを眺めて、そう口から零れた。
ーーゴロゴロゴロ。
うん、何の音だ?
ドラム缶でも転がしてんの?
この大海原で、まさかねえ。
もちろんそんな訳もなく、遠くに暗雲が立ち込めていた。
何やら「これから悪さします」と聞こえてきそうな程、漆黒の雨雲だ。
遠くでしきりに雷鳴を響かせながら。
気のせいかもしれないが、風も出てきたし、波もいくらか高くなってきたような……。
でもきっと大丈夫さ。
オレは不運を清算したばっかりだよ?
船が難破して太平洋で孤立してんのよ?
これ以上災難が降りかかる訳ないじゃん。
強張った笑みで精一杯に虚勢を張った。
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