漂流4日目

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「降りかかったァーーーーっ!!」 自分を奮起するために、腹の底から大声を発した。 声を出してないと気持ちがポッキリ折れそうになる。 というのも、絶賛大シケ中で、海は大いに荒れまくっていた。 波はテーマパークのアトラクションのように乱高下し、吹き付ける雨風は痛烈にオレの体を乱れ打ち。 雨粒ってこんなに痛いのかよ、まるで石でもぶつけられている気分だ。 板の上にあった諸々の物資が荒海に投げ出されていく。 でもそれに構っている余裕はない。 今にも振り落とされそうになる自分を支えるので精一杯だ。 「いつまで続くんだこれ! 人の迷惑も考えろよ!」 クレームだ。 オレを散々苦しめて胃を破壊した、現代社会の最強兵器だ。 もちろん手心が加えられるはずもなく、むしろ波を被った時に海水を飲んでしまう。 しょっぱい! 塩辛い! 反射的にのけぞりそうになるが、うっかり落ちてしまう訳にはいかない。 板の端っこまで這(は)いずって板の縁をガチリと掴んだ。 この時のオレをライブ中継でもしてたら、会場からは失笑が飛んだかもしれない。 それかバラエティ番組のワンコーナーだったら、こんな扱いだろうか。 Q、高波の不安定な状態で、板の端っこに移動するとどうなりますか? A、ひっくり返ります。     
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