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ガボガボガボ!
やばい、波を捌けなかった!
救命胴衣も無しにこんな嵐の海に投げ出されてしまった。
せっかく安穏とした時間を手にいれたのに、こんなのあんまりじゃないか!
ーーキュイィーー!
どこかからかルカの声が聞こえる。
とても目を開けていられないから、どこに居るのかさえわからない。
助けて! このままじゃ死んじゃう!
大自然の脅威の前ではなんて無力なんだろう。
濁流に飲まれる木の葉のように流されていった。
上下左右の存在しない、混沌とした水の暴力。
人間が陸上生活を選択してしまった事を恨みながら、母なる海に還ろうとしている。
最近読んでいる小説だったら、ここで死んで異世界へと転生するのだ。
ロリな美少女女神とかが現れてさ。
「あなたはこれから新しい世界に生まれ変わります」
「本当? 生き返れるの?」
「そこではバカみたいに強い力を振るえます。もうチートですね」
「おおお、それは素晴らしい」
「あなたには、それはもう美少女から美熟女までワンサカ寄ってきます。もう選び放題です」
「ほおお、ほおお、そこは天国なのかな? かなぁぁ?」
「ついでに最後は王様になって、何不自由なく暮らしていただきます」
「mmmマーベラスゥーー!!
素晴らしき異世界!
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