漂流4日目

4/5
前へ
/39ページ
次へ
ガボガボガボ! やばい、波を捌けなかった! 救命胴衣も無しにこんな嵐の海に投げ出されてしまった。 せっかく安穏とした時間を手にいれたのに、こんなのあんまりじゃないか! ーーキュイィーー! どこかからかルカの声が聞こえる。 とても目を開けていられないから、どこに居るのかさえわからない。 助けて! このままじゃ死んじゃう! 大自然の脅威の前ではなんて無力なんだろう。 濁流に飲まれる木の葉のように流されていった。 上下左右の存在しない、混沌とした水の暴力。 人間が陸上生活を選択してしまった事を恨みながら、母なる海に還ろうとしている。 最近読んでいる小説だったら、ここで死んで異世界へと転生するのだ。 ロリな美少女女神とかが現れてさ。 「あなたはこれから新しい世界に生まれ変わります」 「本当? 生き返れるの?」 「そこではバカみたいに強い力を振るえます。もうチートですね」 「おおお、それは素晴らしい」 「あなたには、それはもう美少女から美熟女までワンサカ寄ってきます。もう選び放題です」 「ほおお、ほおお、そこは天国なのかな? かなぁぁ?」 「ついでに最後は王様になって、何不自由なく暮らしていただきます」 「mmmマーベラスゥーー!! 素晴らしき異世界!     
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加