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板の上にうつぶせになって寝転がり、誰にも邪魔されることなく本を読みふけった。
手元にはコンソメ味のスナックとオレンジジュースを完備。
そんな事をしていると、つい漂流中だと言う事を忘れてしまいそうになる。
魚の跳ねる音を聞いて『あ、今遭難してるんだった』と思い出す始末だった。
「最後マジかよ! 作者天才じゃねえか、こんな結末誰に書けるんだよ!」
辛いことを挙げるとしたら、こんな時だろう。
今の気持ちを誰かと共有することが出来ないのだ。
スマホが無いからSNSも無理、というかネットに繋がらないだろう。
だからと言って寂しい訳ではないけどな。
「キュィィイーッ」
「おう、また遊びに来たのか。ルカ、おいで」
「キュッ キュウ」
イルカ友達の『ルカ』だ。
かわいい。
最初コイツが寄ってきたときはサメが来たと思って死を覚悟したぞ。
そんな事もなく可愛いパートナーが出来たわけだ。
その辺に浮いてたビーチボールを広い、ルカに投げてやる。
するとまた器用に鼻先でつついて返してくる。
上手い上手い、正確に返ってくるぞ。
「お前どっかの水族館に居たりしたか?」
なんて声をかけたりしながら楽しく遊んだ。
答えなんか返ってこないのはわかってるけどさ、ついね。
しばらくボールで遊んでたら腹が減ってきた。
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