憑依

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4人は胸を撫で下ろすと共に疑問が浮かんだ。 車で2時間弱の山の中腹にいた。確かあの時は夜の12時をまわっていた。今が朝の7時。この距離を人間の足で7時間程度で到着できるのか。 いや普通に考えたら無理だろう。 じゃあどうやって? 考えても考えても答えなど見つからない。 結局博史があの場所からどうやって家まで帰ってきたかは、未だに解決していない。 むしろどうでもいいというか、あの事を思い出したくないというか、関わりたくないというか… それからその話をする仲間はいなくなった。完全に封印されたのだ。 その後人伝いで聞いた話によると、例の祠はあまりに危険すぎるということで、今では完全に封鎖されているという。 私ははいまだに、あのときぼんやりと光った祠を思い出す。 その時『コーン』とキツネの鳴く声が聞こえる気がする。
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