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小さな炎を見て、恭華はすぐに納得してくれた。
「だから弟子にするのね」
「そういう事だ」
俺は目の前の炎に息を吹きかけると、炎は瞬く間に消えた。
「それにあの娘の前世は恐らく、とてつもない力を持った魔法使いだ。ここで埋もれては困るんだよ」
「セフレ共は?あのビッチ、身体はいいから中々、手放さないわよ」
「決まってるだろう。今まで得た幸福感を苦しみに変えてやる」
「相変わらず、怖いわね」
「“千里眼”によると、俺があの娘と会わなければ、奴らに良いように弄ばれた挙句に飽きたら捨てるらしい」
「ソープにでも沈めるのかしらね」
恭華がそう言った瞬間、俺は彼女を睨みつけた。
「だが、そうはさせない。逆に俺が奴らを沈めてやる……生き地獄という底なし沼になっ!」
俺の奴らに対する憎悪に恭華は震えはせず、むしろ、その姿を見てほくそ笑んだ。
「フフッ、期待してるわよ」
恭華は立ち上がると支店長室から去る前に別れの挨拶を言った。
「“魔”は力」
「“法”は秩序なり」
そう言い返した瞬間、恭華はパッと支店長室から姿を消した。
俺はテレビに写っていたラブホのモニターを消し、明日の会議に向けて準備を進めた。
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