第2話 集中力と根気と一粒の憎しみ

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「ともかく、これは詳しく調べてみる必要があるな。真田が凛星に接触してきたのも気になるし」 「それは厄介ね。奴らが本格的に動く前に、こちらも何かしらの策を講じなければならないわね」 「だから一度、“連盟”に話してみようと思う。凛星にもそろそろ彼らに会う時期だろう」 「そうね。私もちょっと会ってみたい」 「帰ってきたら、会わせてやるよ」 「ありがとう。それじゃ、もう行かなきゃ」 「引き続き、例の件(・・・)、頼んだぞ」 「分かってますって。“魔”は力」 「“法”は秩序なり」 俺は電話を切ると椅子に座り、書類に目を通し始めた。 ところが…… ――うーん……ダメだ。 全然、頭に入ってこない。 表の仕事以外でも考えなければならない事が山ほどある為、全然、頭に入って来なかった。 ――それでも、ここが正念場なんだ。 ここで頑張れば、夕凪西支店は良い評価が得られるんだ。 ――バチンっ!! 俺は両手で頬を叩くと再び、書類に目を通した。
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