第3話 尊敬か恋か

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~尊敬の表れ~ 魔法使いの弟子になってから、既に2ヶ月が経過しようとしていた。 師匠の指導のもと、私はひたすらに魔法を覚えた。 初級と中級を取得し、残るは上級魔法のみとなった。 でも、今の私には魔法よりも別の問題を2つ抱えていた。 1つは大学の成績だ。 魔法のレッスンに明け暮れたせいで、すっかりと成績(花木の授業は別)が落ちた。 とにかく、これを打開するには勉強あるのみ。 奇しくも上級魔法の一つ『幽体離脱』を取得した私は、花木の授業中に肉体から離れて、魂は図書室で勉強をするという反則技を使った。 ちなみに『幽体離脱』でカンニングも可能だが、それをしたら破門だと師匠に言われたのでやっていない。 それでも勉強が進まない時は、早苗や師匠が手伝ってくれた。 魔法以外で師匠に教わるのは正直、おかしな感じだったが、魔法を教わる時の様に優しく教えてくれた。 その師匠が今、2つ目の問題となっていた。 なんだが分からないけど、師匠の顔を見てると自然と目を逸らしてしまう。 そして、胸が熱くなる。 熱くて……苦しい。 更に心臓の鼓動は大きく鳴り響いていた。 ――これはひょっとして…… 恋……なの?
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