第3話 尊敬か恋か

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師匠が出張している間、エリックを預かる事になった。 問題は両親が何て言うかだったが、エリックの可愛さにすぐに許しがでた。 そんな日曜の昼…… 「凛星。私は買出しに行ってくるから、皿洗いよろしくね」 「はぁい」 厨房でお昼ご飯を食べていた私はお母さんに聞こえるように返事をした。 でも追加の品を頼む事を思い出し、店に出る前にお母さんを呼んだ。 「あっ、お母さん。エリックの餌もお願いね」 「分かってるわよ。あの子を忘れるわけないじゃない」 そう言って、エリックの事を思い出したのか、ニヤニヤと微笑むお母さんは買出しへと向かった。 ――どうやら、いらぬ心配だったようね。 とりあえず、私は昼食を済ませた後、厨房で皿洗いする事にした。 最近、夕凪駅付近で開業した洋食屋『キラキラ星』 お父さんの夢が遂に実現したのだ。 しかも開業わずか一ヶ月でかなりの賑わいをみせ、順調な滑り出しを見せていた。 私も土日祝日はお店を手伝いをして、親孝行に貢献していた。 11時から14時までの昼の部は終わり、18時までの間は準備中。 その間にお父さんは事務所で少しの間だけ休憩しており、お母さんは買出しに行っている。 今、厨房には私1人だけだ。 「さてと、始めますか」
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