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「さぁ、食器さん、洗剤さん、スポンジさんにお水さん。キレイキレイのお時間よ」
私はシンク付近に無造作に置かれた食器類に向かって手を叩きながら、声をかけた。
リズムに合わせて手を何度も叩くと、食器やスポンジ、洗剤などが勝手に動き出し、自分で洗い出した。
お皿やコップなどが1列に並び、スポンジはせっせとやって来た食器に洗剤を付ける。
そしてお水で洗い流すと、私がタオルで拭きながら、汚れがないかチェックし、食器棚へと戻す。
たまに汚れ残しを見つけると、
「汚れがあるね。もう1回」
お皿にそう言って、再び洗いに行かせた。
この流れ作業を私は鼻歌を歌いながら、せっせと勤しんでいた。
この作業をやっていて熟々、思う事がある。
魔法使いになって良かったと。
でもそれは慢心だと思われるから、心の内に秘めとかないとね。
師匠が知ったら当然、怒るに決まってる。
その師匠とは最近、会っていない。
たまにエリックが寂しい表情を見せているが、それは私も同じだ。
――ってダメダメっ!
師匠に会えばまた胸が熱くなってしまう。
とにかく今は勉強とお店の手伝いに専念しよう。
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