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皿洗いも漸く終わり、最後の1枚を片付けた。
「みんな、ご苦労さま。今晩もよろしくね」
私はそう言って、全ての魔法を解き、皿洗いは終わった。
でもトイレ掃除も任されていたので早速、掃除に行こうとした時だ。
――カランコロン
お店のドアが開く音が聞こえた。
――お母さんが帰ってきたのかな?
それにしては帰ってくるのが早すぎた。
いつもなら、買い出しが終わったら、夕飯の材料をしまいにスーパーから家に帰る。
そして再び、お店に戻って、仕込みの手伝いをする。
これで約1時間はかかるだが……
時計はまだ30分しか経っていなかった。
とりあえず、お母さんじゃなかったら、丁重に帰らせようと思った。
厨房からフロントを覗いてみると、後ろ姿だが、男の人の様だった。
ご飯を食べに来たのかな?
でもドアには『準備中』って札があったはずなんだけどなぁ。
「いらっしゃいませ。ごめんなさい。まだ準備中でして……」
そう言いながら、厨房からフロントへと出ていった。
だが、その男の人は私を見るなり、いきなり名前で呼んだ。
「凛星……」
私はその男の人を見て、愕然となった。
――う、嘘でしょ……
どうして、ここにいるのよ……
私はその男の姿に愕然となりながらも、そいつの名前を呼んだ。
「な、直也……」
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