第3話 尊敬か恋か

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『キラキラ星』を出た直也は急いで、向かいのラーメン屋に入っていった。 ところがそこのラーメン屋のトイレのドアも壊れており、入ることができなかった。 それを知った直也は怒り心頭にして、ラーメン屋を後にした。 その後、隣のコンビニや付近の飲食店に立ち寄ったが、全て『使用中』で入れなかった。 実はここら周辺のトイレのドアを閉まった状態にしといたのだ。 そうとは知らずに直也はお腹を抱えながら、街をさ迷っていた。 私は周辺を見渡す事ができる『監視の目』を使って、直也の様子を見ていた。 『監視の目』は特定の人物を強く念じれば、その周りを見せてくれることができる。 ただその際、目を瞑るのが難点だが、今の私には些細な事だ。 直也の無様な姿に満足していたからだ。 お腹が痛くて苦しいのか顔を真っ赤にして、お尻に刺激が来ないようにゆっくりと歩るく様は傑作だった。 ――フフフッ、いい気味。 優雅に紅茶を飲んで見ていたが、そろそろお母さんが戻ってくる頃合いだ。 もっと見たかったが仕方がないので、魔法を解いてやる事にした。 でも『腹痛魔法』はそのままにしておいた。
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