第14話 一騎打ち

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「師匠は無事かっ!?」 真田さんは血相を変えて、駆けつけて来た。 「な、何とか……」 俺は何とも言えない状況で曖昧な答えを出すしかなかった。 「そうか……君が鷲見君か?」 「は、はい」 「君とは初めてだったな?真田だ」 「す、鷲見です」 「ゆっくり、話をしたいところだが、まずは彼女をなんとかしないと」 俺と真田さんは軽く挨拶をすますと、エルフィナを囲んだ大きな壁へと目を向けた。 「じょ、成仏とかできないんですか?」 「無理だな……彼女のここへの未練が大きいからな」 (だとしたら、方法は一つ) すると俺達の会話に恭華が入ってくると、真田さんの方を向いた。 (真田さん。頼んでおいた物は?) (ああ。だが、こんなんでいいのか?) 真田さんは内ポケットから、可愛らしいウサギのぬいぐるみを取り出した。 (上出来よ。無害の物であれば大丈夫よ) (末娘と交渉して、なんとか手に入れたんだ。失敗したら困る) (失敗しないように祈る事ね。さっ、始めて頂戴)
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