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まさか再び、こうして相見えるとは思っても見なかった。
再び、見る事となった“暗黒の渦”に正直、怖くなった。
あの時、初めて見た時の記憶が鮮明に甦ってきたのだ。
凛星を救えずに何もできなかった時の記憶が……
そんな俺とは他所に、暗黒の渦はその堂々たる姿を見せつけていた。
しかも、どういう訳だか笑っている様に見えた。
渦の恐怖に何もできずに俺を嘲笑う。
そんな風に思えてならなかった。
だが、それでも立ち向かわなければならない。
あの中に凛星の魂があるのだから。
――怖いなんて言ってられるかっ!
凛星を救える手があるのなら、今度こそ救いたい。
やってやる……
今度こそ、やってやるっ!!
俺は今、残ってる勇気を全て振り絞りながら、挑戦状代わりに暗黒の渦に向かって鋭い眼光を叩きつけた。
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