第15話 暗黒の渦

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~渦の中に潜む魔物~ うごめく渦をジッと見つめていると、三上さんの目が開いた。 (気が付いたようね) 俺は三上さんの背中を支えながら起き上がらせた。 「え、エルフィナは?」 「壁の中だ。今の所、問題なく進んでいる」 「そうか……上……出来だ」 「ちょ、三上さんっ!」 三上さんはフラフラと目を閉じようとしていたので俺は慌てて、身体を大きく揺らした。 「だ、大丈夫だ。只、ちょっと……血を流し……過ぎただけだ」 三上さんの傷はもう既に癒えていた。 だが、流れ出た血は戻すことはできない。 それでも三上さんは俺を落ち着かせた。 「大丈夫だ……坊や。全て……上手くいってる」 終始、強がってる三上さんではあるが再び目を閉じてしまった。 「三上さん……三上さんっ!!」 俺は三上さんを強く揺さぶった。 すると…… 「やった……やったぞ……目が……見える……見えるぞォォォォッ!!!」 遠くから歓喜の声が上がった。 声の方へと向いてみると、そこには田代拓磨が喜びながら、飛び跳ねていた。
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