第15話 暗黒の渦

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三上さんの作戦に俺は少なからずの疑問を持った。 確かにこの作戦で凛星を連れ戻す事ができることは理解できた。 だが、他に方法がなかったのか…… 魔法使いが4人もいながら、反論する者が1人もいなかったのか…… そんな事が頭を掻きむしり、俺はいてもたってもいられず、気が付けば三上さんにこの疑問をぶつけていた。 「そ、それでいいのですか?」 「………なんだと?」 三上さんは語気を強くして言ってきた。 「ひ、人1人の生涯を捨てるようなもんですよ。そ、それでいいんですか?」 膝をガクガクと震えながらも、俺は愛する人の師匠に向かって反論した。 すると三上さんは無言で、俺の方へと早歩きで駆け付けた。 ――やばいっ!言い過ぎたっ!! 俺の震えは頂点に達した。 三上さんが怖くて目を瞑った。 ところが、彼は意外にも肩を優しく掴むのみで終わった。 不思議と思った俺は恐る恐る目を開き、三上さんの方を向いた。 「お前は優しい男だな」 「えっ?」 意外な事を口にする魔法使いに俺は少しだけ、困惑した。 「お前の言う通りだ。弟子1人を救う為に人1人の人生を犠牲にしてしまう。だが、こいつはそれ相応の事をしてしまったんだ。自首すると言い張ってたがそんなの嘘に決まってる。謝るなんて論外だ。許したらまた女を漁る。真に許しを得たかったら……」 三上さんは肩をギュッと握りしめた。 「人生を捨てろっ!!」
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