339人が本棚に入れています
本棚に追加
/790ページ
三上さんの気迫に圧倒された俺はもう何も言えなかった。
そもそも、俺が言ったところで作戦が覆る訳ではない。
それに三上さんの言う事にも納得がいった。
失明して魔法使いの盾となったこの哀れな先輩は、凛星を快楽の道へと誘ったヤリサーメンバーの1人だ。
憎むべき相手なのだ。
前に真に謝る者がいたら、許してやれと凛星に言ったことがあるが俺自身はどうなのだ。
許せる事ができるのだろうか……
「お前1人が背負わなくてもいい」
自問自答しながら顔を俯いてると、三上さんの声が聞こえた。
顔を向いてみると彼はいつの間にか、俺の傍から離れており背を向けていた。
既に暗黒の渦へと立ち向かおうとしていたのだ。
「この所業、全て俺が背負う。だからお前は凛星の隣にいてやれ」
三上さんは優しく俺に言い残すと、愛弟子を救いに走り去った。
最初のコメントを投稿しよう!