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私は驚きを隠せずに声を上げた。
「真田さんって政治家だったんですかっ!?しかも大臣って」
――どこかで見た顔だとは思っていたが……
「知らなかったのか?まぁ、ニュースなんて見なさそうだもんな」
「ちなみにこれも魔法の力ですか?」
「そうだな」
「でも弟子にしては歳がかけ離れていると思うんですけど……」
「これでも、同世代だ」
「ええっ!?」
「奴は魔法の力をもっと欲した。そして若さを犠牲にした。だがそれはいわゆる禁じられた魔法だ。だから、破門にした」
「そうだったんですか」
師匠は真田さんとの関係を今は詳しく教えてくれなかった。
私はもっと教えて欲しかったが、また怒鳴られると思ったので何も言わなかった。
それに逆に師匠が私に真田さんに何をされたのか知りたがっていた。
「奴は何かお前に何かしたか?」
「いいえ。ただ、挨拶がしたかったと。いずれ、直に会おうと言われました」
「確かに今は奴も大臣職で忙しいからな。他には?」
「私の憎しみを制御を……」
そう言い切ろうとした瞬間、私にある考えが思い浮かんだ。
ーーもしかして……
私は試しに手のひらから、炎を出してみた。
信じられないことに一発で出すことができた。
――う、嘘でしょっ!?
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