第2話 集中力と根気と一粒の憎しみ

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「師匠……できた……できちゃった」 私は驚いた顔のまま、師匠の方を向いた。 「あ、ああ……見てるよ」 師匠も目を丸くして驚いていた。 ……できた。 初めてできた。 「いよっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」 私は喜びのあまり、両手を天井に掲げた。 そして、手のひらで燃え上がってた炎を花火へと変えてみせた。 花火は一気に室内に舞い上がった。 それはまるで私を祝っているかのようにみえた。 ところが師匠は、カンカンに怒っていた。 「バカ野郎っ!!狭い部屋で花火なんかするなっ!!!」 師匠は慌てて部屋の中心に立ち、大きく手を叩いた。 すると室内に飛び散った花火が一斉に花びらへと変わった。 ひらひらと舞う花びらはとても美しかった。 でも師匠は荒い鼻息をたてて、私をギロリと睨みつけていた。 私はその目を見るのが怖くて、床下を見ながら小さな声で謝った。 「ご、ごめんなさい」 「……ったく」 師匠はそれ以上は怒鳴ることなく、床に散りばめられた花びらを全て浮かせた。 そして、浮かせた花びらを、ごみ袋を口に掴んで待機していたエリックに向けて飛ばした。 エリックは飛んでくる花びらを見事にごみ袋の中に入れた。 部屋をあらかた片付けると、師匠は最後に私に言った。 「二度と部屋の中でするな」
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