第2話 集中力と根気と一粒の憎しみ

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『移動魔法』はすぐに目的地にたどり着いた。 気がつくとそこは病院の中で、花木教授がいる病室前だった。 屋上から飛び降りた花木教授は全身、複雑骨折の上に心因性を患っていた。 「さぁ、入るぞ」 師匠は何の気兼ねなく、病室に足を運び、私もその跡を追った。 花木教授は個室のベッドですやすやと眠っていた。 「いい気なもんだな、生徒を犯しまくった上に何も関係無いように眠っているとは……ふんっ!!」 師匠はわざと(それも強く)、骨折部分に肘を付いた。 「うぐぁっ!!!」 突然の激しい激痛によって、教授が起き上がった。 起き上がった教授はまず師匠と目が合い、そして私と目が合った。 すると教授の顔が見る見る内に青ざめ、怯え始めた。 「ひっ!!……ひぃぃ……」 教授が声を出そうとした瞬間、師匠がそれを止めるようと手で口を塞いだ 「おっと、声を出すなよ。まぁ、口が無ければ喋れやしないか」 師匠が手を離すと、教授の口が無くなっており、鼻から顎がのっぺらぼうと化していた。
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