第2話 集中力と根気と一粒の憎しみ

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サンシャイン国立医療センターを出た後、私は再び師匠の手を握った。 次に師匠が連れてってくれたのはトワイライト・ビルの屋上だった。 外の景色は既に淡い夕焼け色に染まっていた。 その色がとても綺麗で、私はその景色に魅了された。 私は夕焼けの景色がこんなにも美しいものだと、初めて知った。 「綺麗……」 私の目に一粒の涙が零れ落ちた。 涙を拭う中、私はどうして涙が流れたのか考えた。 あまりの夕焼けの美しさに感動したのか、それともこれまでの大学生活に恥じてしまったのか…… 今の私にはそれが分からなかった。 だけど、一つ確かな事がある。 隣にいた魔法使いがいなければ、私はこんな景色を拝むことはなかった。 すると、その魔法使いが声をかけてきた。 「見事だろ?恐らく、魔法使いにしかこの景色を味わえる事ができないだろう」 「そうですね……」 私はそう言いながら、師匠の顔を見た。 とても穏やかで、優しかった。 でも……何かおかしかった。 いつも見ている師匠の顔なのに、その顔を見ただけでホッとした。 私は何だかそれが怖くて、すぐに夕焼けの方へと顔を戻した。
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