第2話 集中力と根気と一粒の憎しみ

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その人物とは恋人の恭華だ。 彼女も俺と同じ魔法使いで今、諸事情でロンドンにいる。 ――この時間帯なら、起きてるだろう。 俺は机に置いてあったスマホを俺の右手へと呼び寄せた。 机から飛んできたスマホをキャッチすると早速、恭華に連絡をとった。 「あら、おはよう」 「ロンドンでは朝か。おはよう」 「エリックは元気?」 「ああ、今、ご飯を食べてるところだ」 「そう……会いたいわ」 「エリックにか?それとも俺か?」 「フフフッ、両方よ」 どっちつかずな答えに俺は苦笑いを浮かべた。 毎回、「俺とエリックどっちか好きか」と質問すると、彼女は必ず「両方」と言って、ほくそ笑むのだ。 「相変わらずで何よりだよ」 「それでどうなの?ビッチのレッスンは上手くいってる?」 「その呼び方はよそう。凛星はもうビッチじゃない」 「あら、ごめんなさい」 「レッスンは順調にいってるだが……」 俺は言葉を詰まらせてしまった。 それを遠くロンドンにいる恭華がすぐに察知した。 「何やら、問題があるようね」 「そうだ。少々、厄介な問題だ」 俺はその事で彼女に相談しようと連絡したので、包み隠さずに話すことにした。
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