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エルフィナ・ドラグル・ルーベルト
その名を知らない魔法使いは多分、いないだろう。
彼女はとても素晴らしい魔女だが、この世界を1度は破壊しようとした大罪人だ。
ところが彼女も“時代”という名の弾圧によって敗れ去った。
そして最後は『植え付け魔法』をかけて死んだ。
その生まれ変わりが、凛星なのだ。
「でも、後世に残せるのは前世で培った魔法や技術だけで、人間だった時の記憶はないんじゃないの?」
恭華の言う通りだ。
前世の記憶を後世の自分の生まれ変わりに植え付けるには、大きなデメリットがある。
それは人間だった時の記憶が残せれないという事だ。
だが、その代わりに自身が覚えた魔法や技術などが頭の深い場所へと、植え付ける事ができた。
そんなデメリットがあっても、先人達は魔法を衰退させない目的の為に『植え付け魔法』を編み出し、実行した。
自身の功績や記憶などは後世の生まれ変わった自分には必要ないからだ。
ところが弟子の凛星は何か違っていた。
まるで、エルフィナがあの娘を必要とし、魔法を覚えさせ、そして守っているように思えてならなかった。
それに弟子になる前に言ってた“悪夢”の話も気になる。
ともかく、巨大な何かが動き出そうとしているのは明らかだった。
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