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「ふむ、訳が分からん。珍しい服を着た好戦的な女子、そして鎧を纏った落ち着きの無い女子。唯頭のおかしな生贄、壊滅的なパーティーじゃな」
地面の草を指先で突っついていたアイネは、服に付いた土を手で払って立ち上がる。
馬鹿にされた私と女性は目線で打ち合わせをして、木にぶら下がっていた木の実をアイネに投げつける。
馬鹿にされたと理解していなかった少女はその光景を見て、掴んでいた兎をアイネに投げる。
「やめぬか」
ドラゴンに姿を変えたアイネは口を大きく開けて、炎を吐き出して空に火柱を作り上げる。
それを合図と勘違いしたのか、女性が体に炎を纏って槍を構えて、少女が剣を抜くと背後に大量の剣が現れる。
「私はアリス・プレザンス・リデル」
「私はジャンヌ・ダルクです」
「私はアイネ・トールだ」
「待って下さい!」
三人の間に入って声を上げると、アイネは止まるがジャンヌとアリスは止まらずに獲物を振り上げる。
ふたりの刃が私に襲い掛かるが、アイネに覆われて守られる。
人型に変わったアイネに抱えられて地面を転がり、額から流れている血が滴り落ちて頬に付く。
「おぬしは何故無茶をする、私が負けるとでも思うたのか」
「アイネさんの心配じゃなくてジャンヌとアリスの心配です、アイネさん容赦無く潰しそうなので」
「私をなんだと思うておるのだ」
「ドラゴンです」
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