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ジャンヌとアリスの腕を引いて道の脇に退くが、アイネは道の真ん中から動かない。
「アイネさんこっちに来て下さい」
「何故私が劣等種如きに道を譲らねばならんのだ、道を譲るのは奴らの方だ」
「良いからこっちに来て下さい高飛車ドラゴン」
「なんじゃと生意気小娘、私は高飛車なのではなくこれが当然なのだ」
「それを高飛車と言うのですよ莫迦ドラゴン」
「おぬしな、私が貴様に手を出せんとでも思うておるのか」
興奮のあまり角と尻尾が出ているアイネは、それに気付かずにこちらに来る。
本来の目的を達成したが、別の問題がアイネのお尻の下で右に左にゆらゆら揺れている。
ジャンヌが右手で剣を抜いて、アイネの尻尾を切り落として、アリスがそれを細かく斬り刻む。
「おぬしら何故囲む」
処理出来ない角を隠す為に背の高いジャンヌが前、私が左角を手で隠して、アリスが右の角を手で隠す。
前を通り過ぎていった騎士たちに怪しがられる事無く、なんとか難を逃れる事が出来た。
全身から力が抜けると、アイネに持ち上げられて足をばたつかせる。
「なんとかなりましたね、良いチームワークでした」
「私の尻尾が……生えるのに二日も掛かるのだぞ」
「ふたりを下ろしてあげて下さいアイネさん」
「ジャンヌ……早う手を離せおぬしら」
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