愚かな種族

2/4
前へ
/51ページ
次へ
ジャンヌとアリスの腕を引いて道の脇に退くが、アイネは道の真ん中から動かない。 「アイネさんこっちに来て下さい」 「何故私が劣等種如きに道を譲らねばならんのだ、道を譲るのは奴らの方だ」 「良いからこっちに来て下さい高飛車ドラゴン」 「なんじゃと生意気小娘、私は高飛車なのではなくこれが当然なのだ」 「それを高飛車と言うのですよ莫迦ドラゴン」 「おぬしな、私が貴様に手を出せんとでも思うておるのか」 興奮のあまり角と尻尾が出ているアイネは、それに気付かずにこちらに来る。 本来の目的を達成したが、別の問題がアイネのお尻の下で右に左にゆらゆら揺れている。 ジャンヌが右手で剣を抜いて、アイネの尻尾を切り落として、アリスがそれを細かく斬り刻む。 「おぬしら何故囲む」 処理出来ない角を隠す為に背の高いジャンヌが前、私が左角を手で隠して、アリスが右の角を手で隠す。 前を通り過ぎていった騎士たちに怪しがられる事無く、なんとか難を逃れる事が出来た。 全身から力が抜けると、アイネに持ち上げられて足をばたつかせる。 「なんとかなりましたね、良いチームワークでした」 「私の尻尾が……生えるのに二日も掛かるのだぞ」 「ふたりを下ろしてあげて下さいアイネさん」 「ジャンヌ……早う手を離せおぬしら」     
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加