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「昔この丘であるドラゴンと誓いを交わしてな、だがそいつは今どこで何をしておるか分からん。噂では人と一緒にひっそり暮らしているとも、死んだとも言われておる」
「会いたいですか?」
背中から地面に倒れたアイネは私に手を伸ばして、ワンピースの端を掴んで座らさせられる。
「会いたいとは思わんよ、私は別れを沢山経験しておる。慣れはせんがな」
「なんで座らせたんですか」
「理由は無い、居るだけで違うものだろ」
「まぁ……そうかもしれませんね。アイネさんが居ると何故か落ち着きます」
地面をぺちぺち叩いていた尻尾の上に頭を置いて寝転がると、アイネが小さく跳ね上がって尻尾を引き抜かれる。
草の上に落ちた頭に鈍痛が走って、尻尾を抱き締めているアイネに睨まれる。
代わりに出された腕に頭を置くと、尻尾を真ん中に挟む形になった。
瞼を瞑っているアイネの顔を尻尾の陰から覗いて、気が済むまでそれが続いた。
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