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悔い改めよ
広範囲に走った腹部の衝撃で目を覚ますと、アリスが私のお腹の上に乗って顔を覗き込まれていた。
アイネの鱗で作られた服とは言え、流石に寝間着だからか防御力が薄い。
いつの間にかベッドで寝ていたのはアイネか運んでくれたからだとして、ワンピースから着替えた覚えは無い。
アリスを退かして、寝ているアイネの耳に息を吹きかける。
「ひゃっ!」
女みたいな声を上げて飛び上がったアイネの尻尾を掴んで、根元から指を這わせる。
「勝手に着替えさせたんですかアイネさん」
「や、やめろ……っっぅぅ。別におぬしはまだまだ餓鬼じゃろ、気にするような体でもない。あのワンピースでは寝るのに適さんと考えただけだ」
「それもそうですね。とはなりません」
「触られて困る程大層な物も付いておらんだろ」
尻尾と角を仕舞ったアイネは布団を頭から被って、小さく丸まって二度寝を始める。
布団を引き剥がしてアリスに被せ、窓の扉を開けて二階から投げて落とす。
石が叩きつけられる様な鈍い音が響いて、その後にアイネの呻き声が微かに聞こえた。
丁度部屋に入りかけていたジャンヌが手に持っていた籠を落として、声が出ない口を動かしながら外に走っていった。
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