年金夫人とは?

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年金夫人とは?

年金夫人は、優雅な独り暮らしだ。 老々介護もなければ、濡れ落ち葉もいない。 子どもたちはそれぞれ独立し 何かあれば、すぐ駆けつく場所に住んでいる。 毎日自由だ。 現役時代は、第3号。 専業主婦の恩恵を受けながら 扶養範囲で仕事をしていたので 国民年金を受け取っている。 しかし、第3号夫人なので 自分で払った自覚はないが 夫の現役時代には たんまり厚生年金を引かれている。 給与明細を見ながら夫は 「引かれる金額が多い」と いつもひとり言のような文句を吐いた。 現役引退をすると 退職金を一括で受け取り、 失業保険の受給を受けたのち さらに嘱託で軽い仕事を続け 、 そして、本格的な厚生年金受給の開始になると おそらく一番の年金黄金期世代となった。 年金夫人は、自身が国民年金で 夫が厚生年金。 夫の現役時代は、 真面目に仕事一筋だったので リタイヤ後は当然の恩恵を受けてた。 しかし、持病があり 外出といえば、病院、歯医者、 どこかへ行くことも、散財することもなく リタイヤ10年後に亡くなった。 年金夫人は、夫の自宅療養も介護もなく 苦労らしい苦労もなかったので ボーナスのような時間ができた。 所帯を持つと同時に 貯蓄といくばくかの借金で 土地を買い家を建て、 増築、建て替えをし 夫が亡くなると、それを売っ払い サッサとこじんまりとした 中古マンションを購入。 当然、遺族年金。 他に、退職金、有価証券やら投資信託、預貯金 自宅は手放したのでマンション。 財産と言えるような 相続するほどのものもないが 年金夫人は、 頑張って貯金に励むのだそうだ。 目標が1,000万らしい。 どうやって?
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