第0章「きらい、きらい。」

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学校でも虐められるようになったのは小学校中学年。 それまでは不器用なりに笑ったりもしていたのだが、笑う気力も無くなって無表情になった。 中学校に上がっていじめが他学年の学年主任に見つかり話し合いが持たれたとき、率先して虐めてきた女は言った。 「そんな能面みたいな顔してるから虐められるんでしょ」 誰のせいだとと思ったが口を噤んだ。 敵しかいないのにそんなこと言っても仕方がない。 だがそんな中、女に一つ感謝したところは、表情の指摘だった。 なるほど、笑顔でいればある程度突っ込まれにくいということか。 可哀想に思われたいの、アピールがうざい。 そんな言葉を浴びるように生きてきた。 こっちのせりふだいい加減うざいっつの。 笑ってたら多少はマシなのかもしれない。 そうやって実践してみた結果、気味悪がってではあったものの少し人が引いたのでラッキーと思うことにした。
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