第4章「さがしもの」

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「ホテルどう? きれいでしょ? きれいだよね!」 にこやかに告げる彼の声は軽やかで。 目を奪われた。 エントランス真正面の受付の両脇、人間が縦に四人並びそうな高い天井までつく本棚。所狭しと並べられる本。 それ以外も、部屋につながるのであろう階段の下やらとにかく存在するスペース全てに詰め込まれている。 何度も何度も読まれ続けたのだろう使い込まれた紙の匂い。 「まえ、本があるところって言ったでしょ? 探してみましたっ」 月岡くんにもだいぶ手伝ってもらったんだと付け加えたのを聞いて、ようやく礼の言葉を紡いだ。 覚えててくれてたなんて思わなかったし、図書館とかいいなと思ってたぐらいだったから、完全な不意打ち。 「よめんの、これ……うわ、レプリカじゃないのか。頭おかしい」 滝沢が一冊手にとって確認していた。レプリカでないらしい。 「とりあえずチェックインしようね」 「……、もっ、ちー……は。は、本、すき?」 「う、え、……っ? ど、うでしょう。好きとかあんまりわかんなくて」 光くんは不思議そうな顔をしながらも一応頷いた。 「あんな顔してからふつうとか言う方が説得力ないよ。好きだろ」 「滝沢。そういう感情とかについてのお話は今度ね。決めつけないで」 なんで如月くんが今の発言で少し不機嫌そうなのかわからない。 ……俺、好きじゃないのかな? どう取るのが正解なんだ。訳分からん。
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