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昼休憩になり、いつも通り購買で買っておいたパン片手に窓際の席に移動した。
「ね。球技大会どうするの? 流石に出るとか言わないよね?」
如月が聞く体を取りながらもほぼ選択肢なしの問いかけをする。
まあ、出るなんて言われたら本気で止めるけどな。
俺の屍を越えていけ、勿論屍になるつもりは更々ないが。
「信用ないですね、しませんよ。丁度いいですし。それに痛いのは嫌いです」
にっこりと、嫌味のない完璧な笑顔。
なんというか、それが妙に引っかかって微妙な気分だった。
それに、丁度いい、って何がだろうか。
突っ込む……のはリスキーな気がする。
「じゃ、バスケ見にきてー。応援してくれたら頑張れるから」
「分かりました、必ず。頑張ってくださいね」
「おうよー」
確かに如月は体育会系とは無縁な気質だが、この返事はなんというか流石に脱力感を禁じ得ない。
悪いとは言わないが。言わないが。
これで強いのだから世の中わからない。
いっつものっそりしてる分、機敏に動くやつはコレジャナイ感半端じゃない。
あの有名なウサギと一緒だよな、立ち上がるな。座ってろ。
とか思ってたら俺も見にきて欲しいとか言いそびれた。
こう、会話してるときに一拍遅れると話しかけづらい。
……ここまでヘタレだっただろうか、俺。ちょっとへこむ。
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