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いまだ完治はしていないのだけれども、熱も下がり、他にもいろいろすっきりして、なんだか憑き物でも落ちたような、そんな気分だ。
私は、もしかしたら吸血鬼に取り憑かれていたのかもしれない。
短い夏の終わりが、もうすぐそこまで迫っていることを感じさせる青空の色を見つめながら、私は誰に言うとでもなく呟いた。
「吸血鬼の……夏だ」
(吸血鬼の夏 了)
※この作品は著者の実体験に基づき、多少、強引なこじつけを交えつつ書かれたものを、さらに再編集したものです。
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