ピンポンダッシュ

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ここは閉店時間を過ぎたファストフード店。二人の従業員が閉店作業をしていた。 土曜日とあって日中はかなり混んでいた。 疲れもたまりチャッチャッと片付けて帰ろうと話し、作業に集中していた。 片付けが半分くらい終わったとき、厨房と外を繋ぐ入り口の呼び鈴が鳴った。 その呼び鈴は、外にある控え室(休憩室)から従業員が出入りする扉だ。 外からは鍵がなくては開かず、中から誰かが開けなくては入れない。 もちろん不審者が入らないように覗き穴がついているので、それで確認をして明ける。 「孝太、悪ぃ。出てくれるか?」 「はいっ。」 孝太はシンクで洗いものをしていた手を止め、扉へと近づいた。 覗き穴を覗く。 しかし、外には誰もいない。 念のため扉を開ける。 誰もいない。 「誰?」 「いやそれが誰もいないです。」 「はぁ?なんだそれ。」 二人は気にせず作業を続けた。
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