第1話 異世界召喚はいつも突然だ

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クラスの二大ヒーローが戦う決意を表明すると、大多数のクラスメイトは「あの二人が言うなら……」とか「そうだな」とかと、賛同し始めた。 一連の問答を見ていた景は、それを密かに鼻で笑った。 魔人族や他国を制圧するための力として自分たちを召喚したのだから、還す方法があっても、それをすんなり教えるわけがない。 魔人族の王という単語を出してきた辺り、喫緊の課題は魔人というわけか。 もし、この勇者らを使って魔人を一掃した後には、送還魔法は他国の連中が何とかと言って、他国を制圧させるに決まっている。良いように使われるのがオチだろう。 「今日は皆さんもお疲れじゃろう。部屋に食事も用意してあります故、今日のところはお休みください」 円卓のある広間から、クラスメイトらが給仕に先導され、各々の部屋へと連れて行かれた。 景は、自分が案内された部屋につくと、食事にも手をつけずにベッドへダイブした。そして、そのまま意識を手放した。
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