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《指定した対象を魔神の眷属とすることが可能。眷属となった者は、魔神の恩恵を受ける。また、主人である魔神には逆らえなくなる。発動にはキーワードと対象の承諾が必要》
そこまで景が見ると、国王がまた口を開いた。
「諸君らの中に、勇者のジョブはおったかの?」
その一言で、景はアルシュバンが何を期待しているのかを知った。
アルシュバンにとって大切なのは、景たち生徒の中に、異世界人の中に、その勇者というジョブがいるかいないかだということを。
そして、勇者のジョブ以外にはさして興味がないということを。
「俺だ。俺のジョブが、勇者だ」
手を挙げたのは、神宮寺一騎だった。確かに、一騎は見るからに勇者然とした顔立ちだし、自分なりの歪んだ正義をもってるあたり、勇者役としてはハマっているのかもしれない。
「何とっ! 本当にジョブとして勇者が存在するとは…。言い伝えは本当であったか」
アルシュバンは、感動と驚愕が入り混じった表情をして、叫んだ。
「すごいね、景君。一騎君ってば勇者だって」
「そうだな」
国王の驚き様から、勇者のジョブの希少度が分かるというものだ。おそらく世界に一人しかいないのだろう。
「私なんか光の使者だもん。意味わからないよね?」
「意味のわからない白石には、ピッタリなんじゃないか?」
「景君は素直じゃないんだから。景君のジョブは何だったの?」
「僕はーー」
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